3月の末にイースター休みの際の旅行記でも書いていこうかな。
旅行のスタート地点としてスロバキアへ初めて行ってきた。首都のブラチスラヴァだけ。特に大きな理由もなかったが、隣の国なのに行ったことがないのもどうなのかとお思ったのと、今回の目的地への途中にあったから。途中まで同じ大学のつたんと一緒になって行くことになった。
ブラチスラヴァへの移動・アクセス
プラハから初めて電車に乗った。プラハ中央駅。ブラチスラヴァまではブルノを経由して約4時間ほどの電車移動(約12ユーロ)だった。Low cost Seatのチケットを予約して行ったのだが、列車内はスタンダード席、リラックス席、コンパートメントみたいにそれぞれ種類が分かれていた。個人的にはスタンダード席でもよかったかなぁ…と思う。ロウコストは向かい合った形の座席になっていて、机もないので、モニター机付きのスタンダードの方がきっといい。
車内で隣になったけど、車掌さんに席が違うと注意されて移動させられて行った日本人らしい男性が気になったけど、ついに喋ることはなかったなあ。日本人って海外のどこにいてもなんとなくわかる。それは顔であり、英語の発音であったり、喋る時の腰の低さでもあり、または醸し出す雰囲気なのか。なんとなく日本人は世界のどこにいても日本人なんだよなぁと思った。
列車の予約はhttps://www.regiojet.com/から
静かで閑散とした首都
大自然のイメージが強いスロヴァキア。チェコ、オーストリア、ハンガリーには多くの観光客が押し寄せてくるのに比べて、同じ立地にあるにも関わらずあまり話に上がらないことからも想像していたけれど、やはり首都ブラチスラヴァは結構閑散としている。勿論人がいない訳ではない。むしろ、駅前など、人の数は想像していたよりもかなり多い。でもなんだろう、人がいても、どこか静かで、観光地的な騒ぎ声も、首都に多い喧騒も全くと言っていいほど感じられない。
でもだからと言って長閑で牧歌的な感じって訳でもない。寂しい、物悲しいみたいな表現が似合いそうなまち。なんとなく梅雨が似合いそうな印象を受けた。これはもしかしたら静かで落ち着いたスロヴァキア人の気質からきてるものなのかもしれない
駅を出発してからいきなり失敗した。予約していた宿とは全然違う方向へ歩いて行ってしまった。何故そうなったのかはよくわからないけど、往々にして誰かと一緒にいるときは油断しちゃう。無意識に生来の人任せが発動する。それはツタンも同じだったようで、2人してなんとなく歩いていたら、宿は駅の近くの大通りにあったのに、市街地の方までバックパックを持って無駄に歩いてしまった。よくあるよくある、と宿に荷物を置きに来た道を戻っていくけど、このときは初日でまだ元気だったからまだしも、疲れている時にやったらしんどいなぁとか思ってた。
駅には結構な人がいた。めっちゃwelcome
誤った道をそうとも知らずに歩いているときに見つけた大量のろうそく。写真が飾ってあるから、誰か有名な人の命日か何かなのかもしれない。それにしても道にこんなに出しておいていたら危なくないか?日本だったら警察に怒られそう。
青の教会
ブラチスラヴァで名前が売れている観光地といえば2つだろう。教会と城の2つだ。宿に荷物を置いてからとりあえず、「青の教会」に来てみた。感想。意外としょぼい。なんだろう、イランのブルーモスクみたいなすごさを想像してた。期待値が高すぎたみたい。田舎町にある中くらいの教会の壁を青く塗ってみたした、くらいのノリだ。流石にこれは怒られそうな表現だけど。むしろ正面にあった謎の蛇の石像の方が気になってしまうくらい。
しかも更に悪いことに、中には入れなかった。正確な時間は忘れてしまったが、なんか異常に空いている時間が短かった気がする。その希少価値も魅力なのか…。なんにせよ、わざわざ青の教会を見に行く人は注意が必要。まぁ正直空いてなくてもそこまでショックは受けなかったけど。
蛇の存在感。
時計台の時計は割と好きだった。ちょっとうねうねしててダリみたいだなぁとか思ったけど、文字だけなので全然違う。
隣にあった小さな広場?では猫がたくさん寝てた。教会周りには猫も住み着くのか、猫がいるからここはいい教会なのだろう。僕には理解できなかっただけど。そういうことにしておこう。
川と橋と城下町
ブラチスラヴァの町はドナウ川沿岸に発達している。かの有名なドナウ川だ。この町のサイズ感に似つかわしくなく、川は広く立派で雄大だった。やっぱり川のある町はそれだけでいいもんだ。この川をずっと下っていった先にはブダペストのあの街並みが広がっていると考えるとちょっとだけ感慨深い。ちょっとだけね。
市内も特に何がある訳でもないが、こじんまりしていて、比較的歩きやすい町かもしれない。観光客もいるが、プラハでの観光客の大軍を見慣れていると、なんか同じ観光客とも取れないくらい違う集団に見える。町が静かだと人も静かになるのか。
裏通りのようなところを通ると、内側にレンガが詰められた窓枠が。こういうの見るたびに思うのだけれど、なんでこんなことになったんだろう。そして内側を見てみたい。きっと廃墟なんだけど、胸おどる。
ブラチスラヴァ城
ブラチスラヴァ二大観光地のもう片割れのブラチスラヴァ城へてくてくと歩いてきた。これはなかなか面白い城で、丘の上に建っていて、市内のどこからでも基本的に見える。何が面白いかというと、全く「城っぽくない」外観をしている。どちらかというと昔の貴族のお屋敷と言われた方がよっぽどしっくりくる。
四方を白い壁に覆われて、等間隔に窓が付いている。中心部分は広い中庭構造になってる。屋根部分はチェコの建物のようにオレンジ色で、どう見ても「城」という戦いや頑丈さを連想させる言葉とは似つかわしくない。可愛らしい「お屋敷」でいいでしょ。これ。
登って行くには丘の周りをぐるぐると回りながら見た目以上に歩いていかなければならない。でもその分、登りきった上から街並みや川を眺めると気分がいい。内側からこうやってみれば、城壁があり、城っぽいといえば城っぽいかも。
中庭にあった井戸にて。井戸に色々捨てすぎだろみなさん。汚いよ。
聖剣を天高くかざす、馬乗りおじさん。きっとどこぞの聖人か偉い人なんでしょう。なんにせよ、こう後ろから眺めるとかっこいい。ドラクエの勇者のようにギガデインでも唱えてそう。
登って上からの長めで満足した僕らは割とあっさりと再び丘の周りをくるくると下って行く。途中に結構な急斜面で遊ぶ少年と3匹の犬。滑りながらもボールを投げては取って、投げては取る。こういうのどかな光景がその土地に何気になく良い印象をあたえるんだよな。
城下の猫カフェに寄ってみた
登ってくるときに見かけた猫カフェに行きたくなっていってみることに。流石にね、猫カフェあったら気になっちゃうでしょう。歩き疲れてたし、特にすることもないしね。
こっちの猫カフェの良いところは入場料とか時間制限とかはないこと。あくまでカフェなんだよね。コーヒーを頼むだけでおっけー。特段アホみたいに高い訳でもない。猫がいるカフェ。日本のは猫と遊ぶためのカフェ。みんなが猫を追っかけてるから嫌い。自分もそのうちの一人になるのがなんとなく許せない。
ただこの猫カフェ、ひどいのが、猫が全く遊んでくれない。チェコ人の無愛想な店員もびくりするくらいに猫にサービス精神なんてものはない。8匹いるんだけど、みんながおもいおもいの場所で寝ているだけ。たまに人が座るソファや椅子に寝てるやつもいるけど、基本は壁にある猫用の寝床。高い場所だから席に座ったままでは顔を拝むことすらできない。おい、お前ら、猫、いや、そりゃ猫にサービスを求める方が無茶なんだけどさ…動物園の象の方がまだ人間に関心を示してくれるぞ…と涙目になりながら、コーヒーを飲む。家族連れ客の子供が猫を追い回す。狙われた猫は面倒そうに軽く逃げ回ってた。
帰り際に寝ているこの近くへパシャり。サービスしてくれないけど、猫はそれで良いのだ。存在が大切。愛おしい。
夜ご飯
猫カフェから宿に帰り、いきなりだが体調が少し悪くなった。多分軽い脱水症状。僕は本当に脱水に弱い。特にヨーロッパにきてから空気が乾燥しているので顕著に出るようになった。頭痛くなる時は8割5分脱水の兆し。タチが悪いのは頭が痛くなるまで気づかないこと。「喉乾いた」って感じるときに水を飲んでるようじゃ遅い。意識しなくても定期的に水分を摂取していないと気付いたら脱水で苦しむことになる。こっちに住んで学んだことの一つは「人間は水分が必要」ってことだ。日本にいたときにはあまり意識してなかった。
そんな訳で今回も脱水だと思われる頭痛に襲われ、でも食べないのもまずいので外へご飯たべれるところを探すことに。静かな首都だけあってレストランは少ないし、閉まっているところばかり。偶然開いていた宿近くのレストランももう閉まる直前なのか客は僕らの他には全くいない。野菜スープとパンだけ頂いて帰った。本当に寂しい街だなあ。
翌日…
翌日は午前中からウィーンへ出発する予定だったのだけれど、バスも列車も予約も何もしないで望んだら、見事に逃しまくった。まずは駅に行き列車に乗ろうと思ったのだが、ウィーン行きの列車がやたら高い。場所にもよるのだが、基本的にヨーロッパは列車が高い。バスの2倍くらいすることもザラにある。流石にそれは許容できなかったので、予定変更でバスに乗ることに。乗り場がいくつかあって、駅出発のバスはすぐなかったので、市内の方のバス停から乗ることに。トラムでいくが、時間ギリギリ間に合わず。次に川の反対側のバス停からのバスを狙っていくが、なぜか時間をすぎてもバスは来ないので諦め、スーパーの寄ってから、先ほどの市内のバス停まで戻る。もう予約して乗ろうと、ネット予約してやっと行ける…とバス停についてのんびり待ってたのだが、なんと時間直前になって気付いた。
バス停が違う…。
終わった…。
焦って必死に予約を確認する男。
でも予約していたバス停出発のバス停から次に僕らのいるバス停に来るような気がしたので、待ってみて直接乗務員に間違えたと頼み込んでなんとかなった。危なかったあ。
結論
バスとかはちゃんと予約して行った方がいいよ。
気づけば3時間以上無駄に市内でバスを追っかけ回していた。本当に時間の無駄としかいいようがない…。結局ウィーンへ向けて出発できたときには正午をすぎてた。
おまけ。彼は高所恐怖症なので、階段が怖いよう。いつもこういうときつい脅かしたくなってしまうので、その度に嫌われる。
まとめ
あんまりイメージの薄いであろうスロバキアの首都ブラチスラヴァ。予想通り正直に言えば見所は全然なかった。しかもめちゃ都会でもなく、リゾート気分を感じるような大自然の中でも、こじんまりして観光客の来ない田舎町でもないという中途半端とも言える町。でも不思議と嫌いではなかった。この何もなさが逆に少し落ち着く雰囲気を作っているのかもしれない。中欧を旅行するときに煌びやかで仰々しいプラハやウィーンを回る際に中継地として挟むといいかもしれない。観光地から外れ、かといって田舎でもなく、どこにでもある地方都市のような雰囲気。少し一息付くのにちょうどいい、そんな場所かもしれない。
まああとは、天気がよくてポカポカした日だったらもっと気持ちいいかも(多分これ)