さて!そろそろ平常運転に戻してナゴルノ=カラバフの話から!
今日は首都ステパナケルトから車で約30分ほどの距離にある隣町Sushiに行きたいのです。なんたって名前が…!?す、寿司だって!?それは日本人として行くしかないじゃん!!!って思っていたけど「シュシ」と読むそうで、がっかりでした。ポンデです。
いい天気の首都ステパナケルトをお散歩
結構新しい高めの住宅もあるようですね。こんなマンションでも洗濯物はブワってなってて本当に好き。
晴れた日に映える美しい裏通り
謎のモニュメント。ポケモンのダンジョンに出て来そうですねえ
これはナゴルノ=カラバフの名物だそうで『ジェンガーロハット』おやきみたいな!
かなり大きくてランチにぴったり〜(500ドラム・約100円)チャイまで無料でつけてくれた!
お店のおっちゃんと近くにいたお兄ちゃんがしばらく相手してくれた。いいんだけど食べてるときに喋らすなや!
バス停まであんなないしてくれたしっかりしたハキハキと喋る少年
バス停は街の中心に。小さめだけどごちゃごちゃしててエレバンよりもアジア感が溢れる。タクシーの運転手がバスはないと言って乗せようとしてくるのもね。
シュシ行きのバスは30分〜1時間に1本走ってるみたいで301番。青でラッピングしてるからわかりやすい。料金は200ドラム(40円くらい)
シュシへ行く途中の道はかなり山の道路で少し高いところへ上がって行くので晴れていると景色が最高です
さてシュシの町中にいくつかバスストップがあるのでテキトーに真ん中あたりで降ろしてもらうことに。
ナゴルノ=カラバフ戦争のあとを残す街シュシ
さて、このシュシという小さな町、正直来たのは名前のインパクトとステパナケルトから近かったというだけの理由です。
しかし一応観光地でもあるようで(観光地と言っていいのかわからないけど)宿にいたジャーナリストのお兄ちゃんがおすすめしてくれました。なんでも『芸術の町』であり、ナゴルノ=カラバフ戦争の戦場になったため『廃墟のそのまま残る町』でもあるそう。また別の人の話によると、『美しい教会とモスクが両方ある』ということ。本来ナゴルノ=カラバフの人は民族的にはアルメニアで、キリスト教。そしてイスラム教を国教としているアゼルバイジャンに反発しているはず。それなのにモスクもあるのか。まぁ流石にそんなに単純ではないだろうけど、
そのくらいの情報から、予想もつかない不思議な町へやって来た。そしてバスを降りてすぐにみたものは…
めちゃくちゃ美しい白い教会!!!
青空だから余計美しく見えるというのもありますが、この教会めちゃくちゃ綺麗でかっこいい。教会あんまり興味がなかった人なんだけど、エレバンのゲガルド修道院といい、今回の旅中にすごい好きになって行くなあ。特にここは素敵。白くてシンプルなのもそうだけど、教会の周りの敷地に余計なものが何もないのがいいね。よく思うんだけど、街の中の教会って周りにある不統一な植栽とか背景に見える巨大な建物とか邪魔じゃない?いや、街の中だからこその良さはもちろんわかるんだけど、単純な美しさだけでいえばこう言った田舎町にある教会とか人里離れた修道院の方が綺麗だと思うわけなんですよ。
地元の親子の礼拝
中もガランとしてて午後の光が横から美しく差し込む
光のコントラストが絶妙すぎる…!
そんなわけで(名前も知らないけど)シュシの街にある美しすぎる教会でした。本当にこの教会見るだけでも十分来る価値あると思った!
さて、町歩きを再開
大きくてカラフルでつぎはぎのような集合住宅
電柱と雲
歩いている感じ、町はかなり静かで人もあまり多く出歩いていない。あと坂が多い。人にあっても比較的警戒心が強いというか、ステパナケルトの人たちほどのフレンドリーさや明るさはないような印象。見慣れない外国人を警戒しているのかな
地図にあったので坂を上がって来てみたら、やっぱりもう一つ教会があった!こっちはさっきのに比べて小さめで、変わった形している。
奥には廃墟が見える教会に普通に町の住民はお祈りにくる。なんかちょっと不思議な気分。
そこそこ坂を登って来ただけあってちょっとした丘になっていて景色が綺麗なのだ。街には結構大きな集合住宅が見える
こちらの教会にはステンドグラスが目立つ
正直外観はさっきの白い教会が好きすぎてなんとも思わなかったんだけど、内部の装飾が独特で入った瞬間に息を飲んだ。なんだろうこのたくさん吊るされた装飾は。こんな教会みたことない。石作りの構造も素敵だし、教会にしてはとても狭い空間なのに無限に広く感じる
祈る人
中で鳥肌が立つような不思議さを与えた教会も外から見ればただの建物。う〜ん、不思議な感覚
電柱が!カラフル!こういう細かい所の気遣い好きだよ!
建物はところどころかなり古かったりする
窓から道を眺めている人がちょこちょこいるんだけど、目があったおじさん。身振り手振りだけで挨拶してくれているよう。大きな声で挨拶しても身振りで礼を示すようなそぶりをするだけ。なんだろう
少し日が暮れて来た。遠くに見える鉄塔
壊れかけの廃墟と水たまり
道で出会ったおばさん。何言ってるか全然わからなかったけどすごい楽しそうだった。でも写真撮らせてもらうとこの謎の表情。なに、梅干しでも食べてんの?
向こうにいる兵隊さんたちとなぜかかなりの距離越しに笑い合う
おばちゃんと喋ってたら現れた少年たち。露骨に外国人とカメラに興味をもってるけど、写真を取ろうとすると笑いながら逃げていった。なんかカメラには抵抗あるのかな?
明らかに人の住んでいない部屋と人が住んでいいる部屋とが一緒になっている建物。こういうのが普通にあるから不思議。その部屋の住人がもう帰らぬ人になって放置されてるってことなのかな
やばそうな彫刻だらけの公園を発見。やはり芸術の町…!
公園の中のブランコもカラフル…
と思って撮っていると、どこからか二人組の少年が登場。
無遠慮な好奇の眼差しを向けてくる。無理もない外国人なんて結構珍しいだろう。子供は素直だ。そして唯一知っているであろう英語の「ハロー」を言いながら近づいて来て、一言
「マネー」
いやなんでや!!!笑
ちょっと笑ってしまった。何にもしてない少年たちがやって来てとりあえず「マネー」と言ってみる。でも改めて考えて少し切ない気持ちになった。雰囲気からも服装からも、まずこの子達は物乞いではないだろう。きっと家族もいて家もあるのだろう。そんな子供達が見慣れぬ外国人を見つけたからとりあえず「マネー」と声をかけてみた。本気で言ってたのだろうか。それとも冗談半分に言ってただけなんだろうか。親が聞いたら悲しむんじゃないかな、と独りよがりな妄想を膨らませながら「ノー」と断る。
何かを言いたそうにしてたが、英語がわからなかったみたいでモジモジしていた。僕は気分的に日が暮れる前にまちを歩き回ってしまいたかったので先を行こうとすると、
なんと片方が雪玉を投げて来た!!
貴様…っ!雪合戦なら負けないぞ…!と雪をつかもうとすると少年ガチの全力疾走。いや、投げ逃げってどうなのよ…とりあえず逃げる彼を盗撮しておいた。
雪玉小僧
もう一人の彼は対照的にカメラを向けると微動だにせずに真顔でカメラ目線
なんだこの変なコンビ…まあいいや、バイバイ少年たちよ…雪つめた…
山間部の夕暮れはどこを切り取っても絵になるなあ
住宅。年季が入ってるなあ…ソ連時代の建物か
日暮れ前にモスクについた!地図上では2つあるみたい。尖塔が2つついている意外としっかりしているのかも。
しかし人気はなく、中をのぞいてみると、荒れ果てて放置されていた。いつからだろう。戦争で破壊されてそのままなのかな。荒れ果てたモスクなんて滅多にあるもんじゃない。少なからず、人間にとっては祈るための大切な場所なはずだ
地図上にもう一つあったモスクのところへ行ってみるとこちらは完全に破壊されたあとが残るだけの『廃墟』であった。僕はイスラム教徒ではないし、神様も特に信じてはいないけど、神様に祈るための場所がこんな風に無残に破壊されていてそれがそのままの状態にあるというのが不思議で仕方なかった。少しの間眺めてからなぜかやるせない思いでそこを離れた。
ベランダで火を燃やす男
ゴミ箱を漁っていた子犬
巨大な廃墟。中は空洞
夕暮れと
最後にミュージアムがあるみたいなのでそこを目指していく。まだ営業しているといいなあ…
と、しばらく歩いていくと…
なんか細い変な道に入り込んでしまい…
迷った!!
博物館なんてない!見つからない!悔しい!
仕方がないので大通りに出てもうバスに乗って帰ることに。無駄すぎる歩きだった。
唯一の収穫はボロボロすぎる車を発見したこと。どれくらい放置してたらこんなことになるんだ…
最後に夜の白い教会を撮って、同じバスでステパナケルトへ帰る。
静かで重い雰囲気の漂う町だったけど、独特で歩いているだけで面白い町だったなシュシ。
夜の我らの山の雰囲気
ステパナケルトに帰って疲れていたので迷ったけど、折角なので夜の『我らの山』をみにいくことに。ライトアップされているか不安だったけど、バス停から30分ほど歩いて行ってみると…
されてた!!!雰囲気!怖い!!
そんな訳でそそくさと帰ることに。まじで疲れていたしお腹もペコペコだったので帰るのがしんどすぎた。
しかし夜の道を中心地へと向かってトボトボ歩いていると後ろからきた車が止まってくれた。乗せってってくれるみたい!嬉しすぎるが、よく見るとタクシーと書いてある。
これはと思ってお金はないんだ、払えないんだけどいいのか、と聞いてみると、逆に驚いたようにもちろんいらないと行ってくる。まじか。優しすぎる。でもタクシーとしていいのかそれ。とにかく疲れ切っていた身体にナゴルノの人の優しさが染みた…。もうこの国大好き。
結論:ナゴルノ=カラバフではタクシーすら近くまでならただで乗せてくれる
いつもの場所でシャウルマを買う。言葉がわからないのでテキトーに頼んだらイモだけになりそうだったので慌てて手羽先も追加してもらった。言葉わからないで注文するとそういうの怖い…(900ドラム・200円弱)
宿に帰ると同じ1階にセルゲイというロシア人が。ロシア人でも寒いものは寒いらしく、ストーブのない部屋で「寒すぎるくそったれ」と言いながら毛布にくるまっていた。寒いものは寒いんだね。安心したわ
ロシアの話とか色々聞きながら仲良くなった!てかロシア語できるとここでの旅行かなり楽だよな〜いいな〜〜〜
そんな感じで今日はおしまい。